足利に春を呼ぶ伝統行事「鎧年越」は、2月3日、節分の夜に行われ、鎧・冑に身を固め坂東武者に扮した市民200人余りが参加する行列が、法螺貝・陣太鼓を鳴らしながら、歴史絵巻さながらに大通りを行進し、織姫公民館から鑁阿寺までの約1.3kmを約1時間かけて勇壮に練り歩きます。
足利氏宅跡の鑁阿寺に到着すると、主将である市長が願文を奉読し、足利氏代々の供養と市の繁栄を祈願します。その後、本堂回廊にて武者が追儺式(豆まき)を行います。それが終わると本堂の裏で凱旋の陣を行い、「エイ、エイ、オー」と勝ちどきを上げます。
「鎧年越」は、約750年前の鎌倉時代中期、足利義兼の孫・泰氏(源姓足利氏4代目)が一族の結束と勢力を誇示する為、坂東武者500騎を鑁阿寺南大門に勢揃いさせたという故事にちなんだ古式ゆかしい行事です。
明治維新以降一時途絶えましたが、大正4年に市内繊維業者を中心に復活し、以後足利を代表するお祭りとして受け継がれています。